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2016.09.13 10:33

強父論 阿川佐和子


阿川 佐和子(著/文)


発行:文藝春秋


四六判   272頁 


定価 1300円+税


ISBN 978-4-16-390491-7 C0095


書店発売日 2016年7月29日


登録日 2016年5月28日


強父論 阿川佐和子

紹介


阿川弘之氏が94歳で大往生されてから、今年八月で一年。娘佐和子が、強父語録とともに、父との62年間を振り返ります。たとえば――。


「なんという贅沢な子だ。ふざけるな!」……4歳のサワコ嬢は、「このイチゴ、生クリームで食べたい」と口にしただけで、このようにと怒鳴られます。以来、罵倒され通しの日々が続くことになるのでした。


「勉強なんかするな。学校へ行くな」……弘之氏は、特に娘は、勉強なんかしなくてもいいから、家でうまい食事を作れ、という主義でした。大学のテスト期間中も、サワコ嬢はお酌の相手をさせられたのでした。


「子供に人権はないと思え。文句があるなら出ていけ。のたれ死のうが女郎屋に行こうが、俺の知ったこっちゃない」……娘のちょっとした口応えに対して、弘之氏は烈火のごとく怒り、このように言い放ちます。これは弘之氏の口癖でした。


「老人ホームに入れたら、自殺してやる!」……元気な頃の父は、こうくり返していました。足腰が弱ってからは渋々、老人病院に入院しましたが、そこでも「すきやきが食べたい」「ワインが飲みたい」とわがまま放題なのは変わりませんでした。


いまや絶滅寸前の、怖くて強い父親ぶりが存分に描かれます。



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2016.09.13 10:26

猿の見る夢 桐野夏生


桐野夏生(著/文)


発行:講談社


四六変型判   458頁 


定価 1,700円+税


ISBN 978-4-06-220201-5 C0093


書店発売日 2016年8月9日


登録日 2016年6月13日


これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生


自分はかなりのクラスに属する人間だ。


大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。


そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。


還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!


週刊現代読者の圧倒的支持を得た人気連載が、ついに書籍化!


顔 普通

桐野 夏生(キリノ ナツオ)


1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。



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2016.09.13 10:22

アンマーとぼくら 有川浩


有川浩(著/文)


発行:講談社


四六判   306頁 


定価 1500円+税


ISBN 978-4-06-220154-4 C0093


書店発売日 2016年7月20日


登録日 2016年5月10日


目

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。


有川 浩(アリカワ ヒロ)


高知県生まれ。2004年10月、第10回電撃小説大賞<大賞>を『塩の街』で受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』を含めた「自衛隊三部作」、アニメ化・映画化された「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『植物図鑑』『三匹のおっさん』『ヒア・カムズ・ザサン』『空飛ぶ広報室』『旅猫リポート』『県庁おもてなし課』『明日の子供たち』『だれもが知ってる小さな国』など著作多数。


図書館戦争 革命のつばさ 浜名孝行 2012・06 Production I.G 小説(有川浩) 特集|We-Are-The-World ネットニュース



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2016.09.13 10:16

戦争に負けないための二〇章 池田浩士


社会一般


池田 浩士(文) 髙谷 光雄(絵)


発行:共和国


A5変型判   128頁  並製


価格 1800円+税


ISBN 978-4-907986-37-7 C0031


在庫あり(出版社情報)


奥付の初版発行年月 2016年7月


書店発売日 2016年7月29日


登録日 2016年7月11日


戦後70年を経て、ついに「戦争する国」になった日本。とはいえ、戦争に負けるわけにはいかない。負けたときの悲惨は歴史が物語っている。じゃあ、どうすれば戦争に負けない自分でいられるのか?  


ファシズム文化研究の第一人者・池田浩士と、シュルレアリスムを駆使する染色画家・髙谷光雄による、共考と行動のための絵物語。安保関連法案の施行、憲法改正が憂慮される新たな戦時下のいま、「戦争とはなにか」を自分の言葉で語るための必読書。


巻末附録=ブックガイド「戦争に負けないために読みたい二〇冊」



「戦争とはなにか」「戦争に抗するにはどうすればいいのか」を考えるために、すべてのひとに手にとっていただきたい1冊です。本書を読んで、見て、考えたことを、ぜひ友人や家族、恋人と話し合ってみてください。できればもっと人数の多い場所で、みんなで話しあう場があれば素敵です。


そして、では、次になにができるのか。それを著者のふたりと一緒に、さらに深めていければと願っています。


顔 泣

目次


はじめに


第1章 戦争は平和のためのたたかいです 


第2章 自衛権はすべての国の基本的権利です


第3章 国を愛する心は国民を結ぶ絆です


第4章 徴兵制反対は臆病で卑怯な利己主義です


第5章 戦争、それは科学技術と文明の進歩をもたらします


第6章 戦争、それは人間の心を美しく純粋にします


第7章 戦争、それは他者への信頼と自己責任を教えます


第8章 戦争、それはボランティア精神を生かし輝かせます


第9章 私たちを脅かす敵は軍事力でしか防げません


第10章 軍備増強ほど確実な経済成長政策はありません


第11章 機密保持と情報管理は完全でなければなりません


第12章 それでも一国では国を守ることはできません


第13章 日本の戦争はすべて平和と正義のためでした


第14章 欧米諸国は侵略によって世界を支配してきました


第15章 日本の戦争によって多くの国が独立しました


第16章 戦後の日本は平和的に世界進出を果たしました


第17章 戦後七〇余年、日本は一度も戦争をしていません!


第18章 自由を尊ぶ日本はこれからも平和を大切にします!


第19章 平和は一億総活躍社会によってこそ実現できるのです!


第20章 平和のための戦争を一億国民が支えましょう!


戦争に負けないために読みたい二〇冊(池田浩士選)


あとがき(池田浩士、髙谷光雄)


前書きなど


「平和安全法制」とも「安保関連法」とも「戦争法」とも呼ばれる法律が制定されて、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと一歩前進しました。〔……〕


戦争が現実のものとして私たちの暮らしの中に登場してきたいま、では戦争とはいったい何なのか? ――これをあらためて問うことが、この絵物語のテーマです。


そして、私たちが戦争に直面しなければならない以上、私たちは絶対に戦争に負けるわけにはいかない! ――これを私たち自身の切実な課題として考えたいというのが、この絵物語を構想した作者たちと出版社の思いです。


著者プロフィール


池田 浩士(イケダ ヒロシ)


1940年生まれ。1968年から2004年まで京都大学、2004年から13年まで京都精華大学に在職。専攻は現代文明論、ファシズム文化研究。


おもな著書に、『虚構のナチズム:「第三帝国」と表現文化』(人文書院)、『石炭の文学史:[海外進出文学]論・第二部』(インパクト出版会)、『ヴァイマル憲法とヒトラー:戦後民主主義からファシズムへ』(岩波書店)、『池田浩士コレクション』(全10巻、刊行中、インパクト出版会)など多数がある。


髙谷 光雄(タカヤ ミツオ)


1941年生まれ。1982年から2011年まで、京都精華大学に在職。染色作家。


おもな発表に、Rozome Masters of Japan(アメリカ)、textile in future expression(大阪、金沢、沖縄、北海道、福岡)、「転形期の作家10人展」(京都)、「いま、戦争の兆しに心いたむ美術家たちが語りかける展覧会」(京都)など多数のほか、21回個展を開催している。



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2016.09.13 10:10

反東京オリンピック宣言


社会科学


小笠原 博毅(編著 | 編著) 山本 敦久(編著 | 編著) 鵜飼 哲(著) 小泉 義之(著) 池内 了(著) 酒井 隆史(著) 阿部 潔(著) 小川てつオ(著) 塚原 東吾(著) 原口 剛(著) 石川 義正(著) ジュールズ・ボイコフ(著) フィル・コーエン(著) テリエ・ハーコンセン(著) 鈴木 直文(訳・著) 友常 勉(訳・著) 小美濃 彰(訳)


発行:航思社


A5判   272頁  並製


価格 2200円+税


ISBN 978-4-906738-20-5 C0030


在庫あり(出版社情報)


奥付の初版発行年月 2016年8月


書店発売日 2016年8月17日


登録日 2016年7月2日


反東京オリンピック宣言

紹介


開催を返上・中止せよ!


「アンダーコントロール」などという安倍首相による世界に向けた虚偽発言、


裏金不正疑惑、抵抗するアスリートの排除、


野宿者排除・人権蹂躙、だるま式に膨れ上がる開催費用/まやかしの経済効果、


環境汚染、置き去りにされる福島復興・原発対策……


様々な問題が山積・噴出しているにもかかわらず、なぜ東京でオリンピックを開かねばならないのか?


政府・東京都・広告業界、それらと一体と化したマスメディアが、


これらの問題に目を耳を口を閉ざして歓迎ムードを醸成、反対の声を抑圧するなか、


2020東京オリンピック開催に対して、


スポーツ、科学、思想、哲学、社会学などの研究者・活動家ら16人による根源的な異議申し立て。


目次


●巻頭言


イメージとフレーム――五輪ファシズムを迎え撃つために


鵜飼 哲


●第Ⅰ部 科学者/科学論


私のオリンピック反対論――スポーツはもはやオリンピックを必要としない


池内 了


災害資本主義の只中での忘却への圧力――非常事態政治と平常性バイアス


塚原東吾


●第Ⅱ部 レガシー


先取りされた未来の憂鬱――東京二〇二〇年オリンピックとレガシープラン


阿部 潔


「リップサービス」としてのナショナリズム


石川義正


●第Ⅲ部 運動の継承


メガ・イヴェントはメディアの祝福をうけながら空転する


酒井隆史


貧富の戦争がはじまる――オリンピックとジェントリフィケーションをめぐって


原口 剛


オリンピックと生活の闘い


小川てつオ


反オリンピック


ジュールズ・ボイコフ(鈴木直文 訳)


祝賀資本主義に対抗する市民の力


鈴木直文


ありがとう、でももう結構――オリンピック協約の贈与と負債


フィル・コーエン(小美濃 彰・友常 勉 訳)


トラックの裏側――オリンピックの生政治とレガシー・ビジネス、そして効果研究


友常 勉


●第Ⅳ部 アスリート


競技場に闘技が入場するとき


小泉義之


アスリートたちの反オリンピック


山本敦久


なぜ僕がいまだにオリンピックを憎んでいるのか


テリエ・ハーコンセン(山本敦久 訳)


反東京オリンピック宣言――あとがきにかえて


小笠原博毅


前書きなど


私たちの「情報」戦は、いまだ十分に〈組織〉されているとは言えない。それは民衆のさまざまな層が抱いているオリンピックに対する多様な異議や違和感を〈組織〉する方途が、いまだ発見/発明されるべく残されていることと並行している。さしあたり必然的なこの欠乏を見据えること、愚民政策と棄民政策が一体となった究極の「スペクタクルの政治」を迎え撃つ闘いはそこからしか始まらない。リオから私たちが引き継ぐべきは利権まみれの「聖火」ではなく、いまやグローバル・ファシズムと化した五輪攻撃と対決する、民衆闘争の国際主義的な大義である。


――鵜飼哲「イメージとフレーム――五輪ファシズムを迎え撃つために」より


著者プロフィール


小笠原 博毅(オガサワラ ヒロキ)


小笠原博毅(おがさわら・ひろき)神戸大学大学院国際文化学研究科教授(文化研究)


山本 敦久(ヤマモト アツヒサ)


山本敦久(やまもと・あつひさ)成城大学社会イノベーション学部准教授(スポーツ社会学)


鵜飼 哲(ウカイ サトシ)


鵜飼哲(うかい・さとし)一橋大学大学院言語社会研究科教授(20世紀フランスの文学・思想)


小泉 義之(コイズミ ヨシユキ)


小泉義之(こいずみ・よしゆき)立命館大学大学院先端綜合学術研究科教授(哲学・倫理学)


池内 了(イケウチ サトル)


池内了(いけうち・さとる)総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)


酒井 隆史(サカイ サカシ)


酒井隆史(さかい・たかし)大阪府立大学人間社会学部教授(社会思想史)


阿部 潔(アベ キヨシ)


阿部潔(あべ・きよし)関西学院大学社会学部教授(メディア/コミュニケーション論)


小川てつオ(オガワ テツオ)


小川てつオ(おがわ・てつお)野宿者


塚原 東吾(ツカハラ トウゴ)


塚原東吾(つかはら・とうご)神戸大学大学院国際文化学研究科教授(科学社会学・科学技術史)


原口 剛(ハラグチ タケシ)


原口剛(はらぐち・たけし)神戸大学大学院人文学研究科准教授(社会地理学・都市論)


石川 義正(イシカワ ヨシマサ)


石川義正(いしかわ・よしまさ)文芸評論家


ジュールズ・ボイコフ()


ジュールズ・ボイコフ(Jules Boykoff)パシフィック大学准教授(政治思想、社会運動)、元プロ・サッカー選手


フィル・コーエン()


フィル・コーエン(Phil Cohen)イースト・ロンドン大学名誉教授(文化社会学)


テリエ・ハーコンセン()


テリエ・ハーコンセン(Terje Hakonsen)プロ・スノーボーダー


鈴木 直文(スズキ ナオフミ)


鈴木直文(すずき・なおふみ)一橋大学大学院社会学研究科准教授(スポーツ社会学)


友常 勉(トモツネ ツトム)


友常勉(ともつね・つとむ)東京外国語大学大学院国際日本学研究院准教授(地域研究、思想史)


小美濃 彰(オミノ アキラ)


小美濃彰(おみの・あきら)東京外国語大学大学院博士前期課程在席(都市史、地域研究)



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2016.09.13 10:04

叫びの都市 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者 原口剛


社会一般


原口 剛(著)


発行:洛北出版


四六判   410頁  並製


定価 2400円+税


ISBN 978-4-903127-25-5 C0036


在庫あり(出版社情報)


奥付の初版発行年月 2016年9月


書店発売日 2016年8月31日


登録日 2016年8月5日


ぐー右

紹介


 夜の底、うねり流れる群れ ――― 


 流動する労働者(流動的下層労働者)たちは、かつて、職や生存を求め、群れとなった。かれらは、都市空間の深みを潜り抜けたのだ。山谷‐寿町‐笹島‐釜ヶ崎を行き交う、身体の群れ。その流動は、いかなる空間を生み出していったのか。


 私たちはすでに「釜ヶ崎的状況」を生きている。「寄せ場〔よせば〕」の記憶は、今を生き残る術〔すべ〕を手繰りよせるための、切実な手がかりなのだ。地表を横断する群れとなれ、君みずからの「寄せ場」をつくれ ―― 過去からの声は、そう私たちに耳打ちしている。


目次


序 章


● アスファルトを引き剥がす


   釜ヶ崎という場所


   過程としての空間


   本書の問い ―― 線を追跡する


第1章


● 戦後寄せ場の原点 ―― 大阪港と釜ヶ崎


   一九五〇‐六〇年代の港湾労働の地理


   港湾における労働者階級の状態


   国策と資本の矛盾


   封じ込められた例外


第2章 


● 空間の生産


   一九六〇年・釜ヶ崎の社会空間


   場所の構築 ―― 焦点とフレーム


   空間改造


   植民地的空間の犠牲者たち


第3章


● 陸の暴動、海のストライキ


   対抗の地勢


   陸から海への線


   海から陸への線


   失われた地勢


   記憶のリストラクチャリング


   孤島から群島へ ―― 流動的下層労働者の像 


第4章


● 寄せ場の生成 (1) ―― 拠点性をめぐって


   暴動とは何であったのか


   暴動の活用 (1) ―― 全港湾西成分会の議会内闘争


   階級の形成 ―― 流動的下層労働者


   暴動の活用 (2) ―― 釜共闘の直接行動


   拠点としての寄せ場


第5章


● 寄せ場の生成 (2) ―― 流動性をめぐって


   寄せ場の労働者になる ――I氏の流動


   寄せ場とはどこか


   複数の寄せ場


   飛び火する運動 ―― 「山谷‐釜ヶ崎」


   あらたに飛び火する運動 ―― 寿町


   さらに飛び火する運動 ―― 笹島


   寄せ場とはなにか ―― 流動と過剰


終 章


● 地下の都市、地表の都市


   社会の総寄せ場化


   寄り場なき都市空間


   私営化とジェントリフィケーション


   寄り場のゆくえ


 


● あとがき/文献一覧/索 引


前書きなど


 アスファルトを引き剥がす ――


 労働者の相貌を現す都市空間誌 ――


 


「…… 2000年代以降、「社会の総寄せ場化」や「釜ヶ崎の全国化」という言葉が唱えられるようになった。かつて「日雇労働者」と呼ばれたプレカリアートには、いまや「フリーター」という名前があてがわれ、雇用や生活の不安定性は社会全体に拡大された。釜ヶ崎はもはや例外ではなく、その状況は日常生活の隅々に浸透している。……


 [中略]


 …… 地図を描くとき、ひとは天空から地上を見下ろす視点にたつ。このときひとは身体の拘束から解き放たれ、ただ視覚だけを特権化させる。だがそれと引き換えに、眼に映るものしか見えなくなる。これに対し本書では、アスファルトを引き剥がし、嗅覚と土地勘とを頼りに地下を掘り進めていくような記述を試みたい。このように土地の深みへと潜っていくのに、まさか手ぶらで臨むわけにはいかない。記憶を展示物と化す事態を避け、地中の声を蘇らせたいと願うならば、なおさらである。このとき問われるのは、空間を論じる視座であろう。次節で述べるように、私たちにとって、空間とは過程でなければならない。本書の試みは、空間を〈動かす〉ことでもあるのだ。…… 


 [中略] 


 …… 自分自身がいまどこに立っているのかを深く理解するためにこそ、あえてアスファルトを引き剥がそうとするのだ。いまのところ過去からの声は、くぐもって聞き取ることができない。おそらく私たちは、テレビやケータイの液晶画面の明るみに慣れてしまったせいで、聞き取るための身体能力を劣化させてしまったのだろう。もし寄せ場と呼ばれる時空間を再構成することができたならば、私たちはきっと、これまでになくはっきりとした声で、地中の叫びを耳にすることになる。寄せ場の記憶に触れ、あらためて地上を振り返ったとき、まわりの風景はその眼にどう映るだろうか。過去からの声は、現在を生きる私たちの耳元に、なにをささやきかけるのだろうか。」


 (本書の30 32 45頁より)


版元から一言


流動する労働者の群れを、


だれも統御することはできなかった。


労働者の流動性は、


つねに〈過剰〉であった。……


だが、かれらは


挫折の苦悩のなかにあってさえ、


みずからが引き受けた過剰を


かたくなに肯定したのである。


それは、見えざる道を拓〔ひら〕き、


新たな空間を生み出しつづけるために、


決して絶やしてはならぬ種火だったのだ。


(本書、第5章より)


著者プロフィール


原口 剛(ハラグチ タケシ)


原口 剛 Haraguchi Takeshi


1976年、千葉県に生まれ、鹿児島県で育つ。東京大学文学部にて倫理学を学んだのち、2000年より大阪市立大学文学研究科にて地理学を学ぶ。2007年、大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)や大阪市立大学都市研究プラザ研究員などを経て、2012年より神戸大学大学院人文学研究科准教授。


専門は都市社会地理学および都市論。


共編著に、『釜ヶ崎のススメ』(洛北出版 2011)など。


訳書に、ニール・スミス『ジェントリフィケーションと報復都市 新たなる都市のフロンティア』(ミネルヴァ書房 2014)。


共著に、Marxism and Urban Culture(Lexington Books 2014)、『労働再審4 周縁労働力の移動と再編』(大月書店 2011)、『ホームレス・スタディーズ 排除と包摂のリアリティ』(ミネルヴァ書房 2010)、『地域調査ことはじめ あるく・みる・かく』(ナカニシヤ出版 2007)、『都市空間の地理学』(ミネルヴァ書房 2006)など。



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2016.09.13 09:43

貧困の現場から社会を変える 稲葉剛


稲葉剛(著/文)


発行:堀之内出版


  176頁  並製


価格 1800円+税


ISBN 978-4-906708-61-1 C0036


在庫あり(出版社情報)


奥付の初版発行年月 2016年9月


発売予定日 2016年9月15日


登録日 2016年7月13日


紹介


政治だけじゃない。


貧困の現場から社会を変える 稲葉剛

貧困が広がる社会を、私たち自身が変えることができる。


下流老人、貧困女子……。一億総中流社会の崩壊がより深刻な今、貧困問題はだれにとっても人ごとではありません。ではどのようにしたら、そうした問題を解決したり、未然に防いだりすることができるのでしょうか。長く貧困問題の現場に関わり、さまざまな提言や制度改革に取り組んできた著者が記す、貧困社会を変える希望の1冊。用語解説もつき、中学生くらいからでもよみやすく、わかりやすい内容です。


目次


第1章 私が取り組んできた生活困窮者支援


第2章 権利としての生活保護


第3章 バッシングと差別


第4章 拡大する住まいの貧困


第5章 自立支援を問う


第6章 対談・藤田孝典×稲葉剛


著者プロフィール


稲葉剛(イナバツヨシ)


1969年広島県生まれ。NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事。著書に『鵺(ぬえ)の鳴く夜を正しく恐れるために―野宿の人びととともに歩んだ20年』(エディマン、2014年)、『生活保護から考える』(岩波新書、2013年)、『ハウジングプア』(山吹書店、2009年)など。



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2016.09.13 09:07

ホームレスとなった200人にせまる厳冬

ホームレスとなった200人にせまる厳冬[アムネスティ日本 AMNESTY]


ウランバートル第3アパートで平穏な暮らしをしていた住民約200人にとって、まともな住居が死活の問題となっている。住民の中には、障がい者や子どももいる。部屋には窓やドアがなく暖房もないため、冬の室温はマイナス30度にもなる。当局は、まっとうな代替住居をただちに確保すべきだ。


昨年4月と5月にかけて、少なくとも28家族がウランバートルのスフバートル地区第10小区域の第3アパートを退去した。新たに建設される代替アパートの提供を受け入れた住民の中には、退去の証明に窓とドアを撤去するよう開発業者から要求された人もいた。建物の破壊は進み、現在では居住不能となっている。


新アパートの建設計画は一向に進展せず、住民は1年分ほどの住居費を受け取っただけだった。建設計画は不明であるため、住民は将来が不安でいっぱいだ。居住不能の住宅に戻るか、自費で代替住居を探すか、親せき宅に世話になるかのいずれかだ。


開発企業から代替案内を受けなかった人の中には、朽ちた第3アパートからしかたなく退去した人もいる。しかし、車椅子生活を余儀なくされている障がい者と、幼ない子どもがいる家族ら5世帯が一昨年と昨年の2回の厳冬をこの第3アパートで乗り切った。今年4月以降に、さらに5家族がやむを得ず戻ってきた。家賃が高くて支払うことができなかったからだ。


6月24日には、住民とアムネスティによる陳情により、ウランバートル知事が10家族分の代替住宅の設置を命じる法令に署名した。しかし6月29日の地方選挙で政権が交代し、代替住宅の設置が問題となっている。


ホームレス中学生 特集|We-Are-The-World ネットニュース


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